ボトルケージ ボルト

 自転車ボトルケージボルトが飛んでしまい、新しくすることに。

ステンなら https://amzn.to/3NZ7hyM

チタンなら https://amzn.to/3SgGzV1

というところか。クロモリに匹敵するのはチタンか。クロモリボルトって売ってるのかな?

 

ローバー・ミニ ロアホースからの水もれ

 半年ほど前に足回りを整備した折りに、サブフレームに水漏れの跡がありました。ガレージの床には跡が無く水位も下がったように見えないので走行中に圧が上がると滲んでくる程度でしょうか。

 目視できる範囲ではジョイント部分やウォーターポンプからの漏れは確認できず、ホースクランプの増し締めをしました。残るはロアホースクランプ部分かラジエター本体の亀裂か?!(それは嫌だなぁ)

 時間もなくそのままで車検に出したところ、圧力検査の結果で漏れを指摘されちゃいました。箇所はロアホースクランプ部分とのこと。『ここは手が届かないのでラジエターを外して・・・』『ならばホースもファンブレードもベルトも全交換・・・』7万円オーバーコースですね。プロの作業で外すのならそういうことになるのは当然だけれども、前回ウォーターポンプ交換時にホース交換してそんなに経ってないのです。

 その時の自分の作業ミスということでしょうかね。ロアホースクランプの締め込みが不足していたか・・・ここは後から作業ができない箇所という認識で気をつけて締め込んだような記憶もあるんだけれど。

 そのまま水位と下回りを観察しながら半年あまり。水漏れ跡も水位低下も認められず。自然治癒?のわけはないので、たまたま止まっただけですねきっと。自然と止まる程度の漏れ、どうにかしてロアホースクランプを増し締めできればすっきりします。 

画像中央に半分見えるのが増し締めしたいクランプボルト

  かろうじて見えてはいるものの狭くて手は届かず、エクステンションにユニバーサルジョイントをつけたソケットレンチでもその太さが邪魔でうまくアクセスできません。

 ならばドライバーではどうか? ん~、通常のマイナスドライバーの形状ではシャフト自体が太く先端も幅広くなっているせいでうまくいかなそうです。

 さらに必要な長さは50センチ程度。ここまでの長さのドライバーとなるとそこそこのお値段で、このためだけに購入するのも考えものです。

 そこで、ジャンク箱の中のマイナスドライバービットとΦ5.5㎜の鋼材(200円なり)を溶接してロングTドライバーを作ってみました。 

 30分ほどのやっつけ仕事で完成。ドライバーとしては細すぎて剛性感が無く頼りない感じの仕上がりです。

早速作業

 細さと僅かなしなりで増し締めはうまくいきました。ほんの5分ほどの作業です。1回転半も締まったのでやっぱり緩んでいたようです。ラジエター脱着を考えたら、これで完全にリークが止まれば儲けものです。

 今回はSSTを自作してかろうじて後から増し締めが出来ましたが、ホースクランプの向きによっては全く不可能の場合も。次回ラジエター脱着時はその点熟考して作業したいと思います。


HPAキット『キチクロZ』の組立て~周辺レイアウトはすでに5作目~

 

右側が『キチクロZ』、左奥が電源系で、銀色のシートは『ノイズフセ-グ』

今回、新しいD/Aモジュールを入手したので、換装と同時にレイアウト見直しで全面変更。

銅箔GNDとかフェライトコアとかいろいろやってるんだけれど、当たり前のデジタル/アナログ電源分離と、なにげにノイズフセ-グシートが効果的だったりします。電磁波出てるんでしょうね。

音出ししながらシートを使う位置を決めました。全面に使えばいいというものでもないみたいです。貼り方によってかえって大きくなったり。最終的には一番左のデジタル系基板GNDケーブルにも巻いています。

いままで、単4電池1本をデジタル系基板用に昇圧する仕様でした。ニッケル水素電池を使うと電圧が足りないためにすぐに落ちてしまいます。そこで、電池の割り振りを変更し2本:4本の構成に。そのため、両方とも昇圧してます。

 

※以下は2019年夏に下書きとして放置してた記事です

イヤホンを新調したら、新しいポタアンが欲しくなって『キチクロZ』というHPA基板キットを組立ててみることにしました。このキット、あまりの部品の小ささに組立てを躊躇する人も多いようです。スルーホール基板のハンダ付けしかしたことのないぶきっちょな自分にも完成できるでしょうか?キットで完成品より安いとはいえ、動かなかったらかなりの痛手・・・。

通販で届いたキットを確認すると、表面実装部品の実物は想像以上の小ささです。通常の活字を読む用の老眼鏡だけでは、チップ抵抗の表記どころか基盤に印刷された部品番号も読むことができませんでした。

これでは当初考えていた2~3倍の虫眼鏡タイプの拡大鏡では自分には役不足なようです。そこで10倍程度まで拡大できるヘッドバンドタイプのルーペを導入しました。自分の場合は老眼鏡とこのルーペの最大倍率でぎりぎりチップダイオードの極性判別やハンダの状態確認ができ、3倍でハンダ付け作業をしました。ちなみにこのRSのルーペ、作りは値段なりですが不具合もなくバンド調節がダイヤル式で使いやすく感じました。

他には、φ0.6㎜の精密基板用ハンダフラックスハンダ吸い取り線などを新たに購入しました。

ハンダこては30年以上前に中学校の技術家庭科の実習で組立てた木柄のこて。今ではそんな授業はないんでしょうね。当時は学年の男子全員がはんだこてを所有していたことになります。それまでは家にあったコテ先が傷んだこてしか使ったことがなかったので、このこてを使って急にハンダ付けがうまくなったように感じたことを記憶しています。

以来使い続けているこてですが、さすがにこて先は何度か交換しています。表面実装用ということで、今回は先の平らな物(BC型)を新調しました。極細円錐形に先の尖ったものより素早く熱が伝わりやすく使いやすいようです。

キットの基板には練習のためのスペースがあり、余計に入っている0Ωのチップ抵抗で表面実装部品のハンダ練習ができるようになってます。ぶきっちょなのに無精者でもあるので練習もせずにいきなりやってみました。実はチップ抵抗はキット付属のRRからRGに換装すべく多めに入手していたので、失敗してもやり直せばいいやという思いから。

練習後に基板から外すのも面倒だし。(って、外す練習という意味合いもありますね)

いきなりの一つ目は、若干のハンダ盛り過ぎはあったものの短略もなく導通も問題なし。2~3コこなすうちにはスムーズにできるようになりました。見た目は二の次です。

作業は100均で売っているキッチン用などのシリコンマットの上に基板を乗せて行いました。滑らず熱にも強くて簡単に基板の方向を変えられて作業がはかどります。若干静電気を帯びやすいのですが、夏だから大丈夫ということにしましょう。


  1. パターンの片側にごく少量のはんだを置きます。
  2. 基板にフラックスを塗ります。
  3. 置きハンダした方のパターンが利き手側になるように基板を向けて、部品を利き手に持ったピンセットで摘んで基板上に置きます。
  4. 利き手でない方にピンセットを持ち替えて部品を保持し、利き手で置きハンダにこてを当てて溶けたら部品をずらして所定の位置に。
  5. 正しい位置に固定できたら、基板の向きを変えて反対側をハンダ付けします。
  6. 必要に応じて、置きはんだした側に再度フラックスを塗りハンダを盛ります。
  7. ルーペを最高倍率に切り替えてハンダの状態を確認します。
部品の種類と方向(指定があるものは)を間違えないように確認しながら、上記の行程を繰り返します。

順番はおおむね部品表どおりで良いのですが、ボルテージレギュレーターだけは周囲がさらにタイトで、周りの部品よりも先にハンダ付けしたほうが良いと感じました。

後からの間違い探しや修正は面倒ですので、極力間違いがないように慎重に作業を進めて5時間ほど。もう一度ざっと確認して基板が完成しました。初めての表面実装基板なのでこんなものでしょうか。

キット内のオペアンプAC8666は普通っぽい音をねらってMUSES8920に換装しました。チップ抵抗はRRからRGに変更しています。LME49600のBW端子は基板にあるジャンパーパターンを使ってジャンパーしています。具体的には各LME49600の一番左の端子とその脇にあるパターンを0Ω抵抗で接続します。設計者いわく、ジャンパーさせるとキチクロZが覚醒するんだそう。やらないわけにはいきませんね。

電源を接続するとLEDが点灯しあっけなく起動。仮接続のイヤホンから出音を確認できました。この時点でかなり期待させるような音がでています。

電流値を計測すると約80mA。これはBW端子をジャンパーした状態の正常値のようですね。

006Pの9Vから単4×5本の7.5Vまで落としても、音量・音質ともにほとんど変わりません。3本の4.5Vまで落とすと音量が少し落ちるような気がします。電池ケース付きの筐体の都合から、今回は単4×5本で駆動することにします。

使用するケースは
タカチ電機工業  LC145S-F6-W
単4×6本の電池ケースがついたプラスティック製ケースで、一番薄い形状のもの。ポタアンに使えそうなこの手の汎用筐体は種類の多さも構造も使い勝手の良さも価格もタカチの独壇場です。流用品を含めいろいろ探してもタカチにならざるを得ませんでした。

ただこれもベストではなくて、こうであればよいのにと思われるところはあります。例えば、電池個数などのラインナップは豊富ですが、それでも限りがあるので、中に基盤とともに電池ボックスを仕込むのを前提とした丁番開閉式の汎用モバイルケースであるとか。できたら格好良いアルミ製でそんなのがあれば良いのですが、まずないのですね。

ケースのデフォルトの電池本数6本9Vを、アンプ基板用の単4×5本とD/Aコンバーター内蔵基板用の単4×1本1.5Vに分割するため、ケースを加工します。電池ケース端の2本の電池をまたいでいる端子を外し、ケースに穴を開けて+-二つの独立端子に交換します。こんな加工が出来るのも端子がリペア用として用意されているタカチならでは。このままでは端子の固定が弱く隣り合っているため短略しかねないのでUV硬化樹脂で絶縁固定しました。筐体内側に4つの端子が出来て完全独立電源となりました。

UV硬化樹脂はジェルネイル用を使いまわしています。100均のチューブ入りのものより粘度が高く肉盛り性が良いので使いやすく感じました。また、UV硬化樹脂はメルトガンに比べて細かい所も硬化前にじっくり作業ができるのでおすすめです。UVランプは紫外線LEDのフラッシュライトタイプをつかっています。これもジェルネイル用として通販などで売られているものです。ただ、UVランプが影になってあたらない部分は硬化しないので注意が必要です。

次はパネルの穴加工です。所有する小さめのサイズのドリルで穴を空けたあと、リーマーで微調整します。タクトスイッチ、LED×2、イヤホンジャック、そして角穴の電源用ロッカースイッチ。角穴はドリルのあとにルーターで切削していきます。

ルーターにしろヤスリにしろ、ぶきっちょな自分には不得意な作業です。スライドスイッチなど角穴が見える部品は恥ずかしくて使えません。今回使用したロッカースイッチはフランジで隠れてしまうので問題ありませんが。できれば面倒がない丸穴で使えるスイッチが良いのですが、11㎜しかないパネル幅に開けられる丸穴で使えるスイッチはトグルしかないのですね。

タクトスイッチとLEDはUV硬化樹脂で固定しました。

電源その他をまとめるべく、空きスペースに収まる大きさにユニバーサル基板をニッパーで切断しルーターで整えます。回路図が必要なほど複雑ではないものの、基板上に平たく再現出来るほどスペースもないので、描画ソフトで実体配線図を描いて部品配置を決めます。手書きと違い、いくらでも移動や書き直しが出来るので便利ですね。また反転した画像も簡単に出来るので、それを見ながら基板裏側の配線もスムーズに作業できました。

二つの独立した電源を同時に一つのスイッチで動作させるのにフォトMOSリレー『TLP222AF』をつかいました。ロッカースイッチを介した1.5Vの電源に150Ωの電流制限抵抗でリレーを動作させ、7.5Vのアンプ用電源をオンオフします。

逆接保護用のショットキーバリアダイオードとポリスイッチを通った1.5V電源は、出来合いの基板で3.3Vに昇圧しD/Aコンバーター内蔵基板に供給。

基板のインジケーター用LEDはテストして明るさと電流値を確認して、薄暗く点灯する程度の抵抗値に決めました。3.3Vで10kΩ、7.5Vで1kΩ。

試聴するとすごく緻密でいい音ではあります。前作の安アンプMAX4410と比較して良くなってないところはないのです。全てに上回ってる。でもなんか一味足りないような・・・。余計な味付けは要らないって意見もあるけど。完全に好みですけどね。
 
そんなわけで、例によって入力段の抵抗をNS-2Bに替えてみたところうまい具合に好みの音になりました。1608サイズの表面実装抵抗からNS-2Bですから容積比は半端じゃありません。詰め込むのに試行錯誤しました。

 









ideale #58 PROFESSIONNEL

イデアル #58
縁あってはるばるイタリアからやってきたおフランス製のイデアル#58プロフェッショナル。一度は『軽合レール』を使ってみたくて入手しました。人気の#90軽合レールはかなりの高値。最近はイデアル90に関して革の張替えをしてくれるところがあるとはいえ、サドルとしてちょっと現実離れした値段です。

このサドル、用途はシクロクロス用とかで全長がかなり短めの10インチ。幅は6インチでノーマルの#92なんかと比べるとだいぶ小さく感じ#92ストーカーよりは長いです。普通サイズのロードサドルくらい。革は厚く『サイン入り』ではないのでガッチリしています。ソファーのような#92サイン入りと比べればごく普通の革サドルですね。その分、型崩れやへこたれなさそうではあります。

革の刻印は薄れて読めないのですが、後ろにシリアル№入のプレートがついていますので、『PROFESSIONNEL』だと思われます。

レールが内曲がりであるように、だいぶ古いモデルです。55年の情報があります。自分より年上なのは確実なようです。

こんなサドルも

乗り心地の良いメッシュサドルちょっと高品質

表皮破れの心配がないEVAフォームサドル黒はちょっと高い

衣服への攻撃性も低いかもフルカーボンサドル

いずれも意外と痛くないと聞きます。

ローバー・ミニのエアコンサーモアンプ自作

部品を配置し終えたサーモアンプ基板

ローバー・ミニのエアコンサーモアンプ修理(というか製作)その2』でブレッドボードで作動を確認したものを回路図に起こします。

自作サーモアンプ回路図
それをもとにブレッドボードパターンの片面ユニバーサル基板の実体配線図を書いてそのとおりに部品を配置しました。
自作サーモアンプ実体配線図
ブレッドボードでテストする関係でリード部品やブレッドボードパターンのユニバ基板を使ったこと、耐振動性を考えてなるべく寝かせて配置したことからけっこうギリギリの配置です。手慣れた方ならもっと合理的な配置もできるのかな?

汎用片面基板のせいか、部品に力を加えるとランドが剥がれやすいです。設置場所には余裕があるのでギチギチに小型化する必要はないのですが、振動のことも考え合わすと両面スルーホール基板にSMDのほうが良かったかもしれません。

回路図左側から、270Ωの抵抗とツェナーダイオードで12Vの電圧を作っています。そのままの電圧の場合、電圧変動により作動温度に若干ズレが出ました。

18kΩとサーミスタ+温度調整ダイヤルの可変抵抗(2.7kΩ)+多回転半固定抵抗(770Ω設定/2kΩ)+抵抗2kΩの分圧で、1つ目のトランジスタの作動を制御します。

右側2つのトランジスタと1k・30k・20k・680Ωの5つの抵抗がシュミットトリガ回路。シュミレーションサイトで見ると、出力がONになるときとOFFになるときで作動するトランジスタが切り替わります。

680Ωの抵抗2つは、フォトMOSリレー内のLEDと増設したLEDパイロットランプそれぞれの電流制限抵抗です。

パイロットランプは先の汎用サーモにもついており、コンプレッサーの動きを可視化できて便利だなと感じたから。実際にはコンプレッサーではなくアンプのONOFFを表しているだけですが。

走行中、人によってはこのランプの点いたり消えたりが気になってしまうのがデメリットかも。

ここにリレーを使ったのは、その先のリレー(ACリレー)の仕様によって動きが変わらないようにです。リレーを介さない場合は、実車でテストしての半固定抵抗を調節する必要があると思います。

機械式ではなく半導体リレーを選択したのは、出力先がリレーなので小さい負荷でも使えること、耐震性のある自動車用機械式リレーで小信号で使えるものがあまり売っていないことから。

ダイオードは出力先のリレーコイルのサージ電圧防止用です。47μFの電解コンデンサはACリレーのチャタリング防止の意味で入れてみました。

机上最終テスト
ケーブルは0.75~1.25SQ・AVSの手持ちのもの。電気的にはもっと細くて良いし、そのほうが取り回しもしやすいですが、物理的に丈夫かと。

青白のアース線には念の為ヒューズをつけておきました。

筐体におさめてすべての電気的な接合をして、最終的に安定化電源で机上確認をします。間違いはなかったようで無事動作しました。

樹脂固定
防振対策としてホットボンドで冷却時間をおきながら固定していき、筐体を閉じて完成です。

車体への固定は、室内機カバー内側の室内機左側へ、接着剤付きのマジックテープでカーペットに固定としました。
完成した自作サーモアンプ
赤いケーブルはパイロットランプへの結線です。

今の所普通に動いてくれています。温度調整ダイヤルはワイドレンジに感じます。純正よりゆるくエアコンをかけられて良いかもしれません。



抵抗は各100本パックなど、予備も含めても合計2,000円程度でした。

※いつものことですが、記事の内容について一切責任持てません。参考になさる方がいるとは思えませんが、その場合は自己責任でお願いします。

ローバー・ミニのエアコンサーモアンプ修理(というか製作)その2

故障した純正のサーモアンプ
前回の記事では汎用サーモで代替しましたが、純正と同じ仕組みのものを丸々コピーして使えれば温度設定までコピーできるのでそれにこしたことはありません。3石のトランジスタに抵抗、電解コンデンサ、ダイオード、部品点数も少なく特殊なICが使われているわけでもなく、価格的にも千円でお釣りがくるはずです。

ある程度の信頼性を確保しつつテストを重ねてショップオリジナル仕様を決定して量産するとなると、8000円前後というのは理解はできるのです。それでもこれと同じ純正部品を8000円で買うのはどうにも納得いかず。ビンボー症ですね。

まずは回路図に起こすべく樹脂を削り・・・結果は画像の通り悲惨なことに。自分には完遂するだけの根気とスキルがありませんでした。部品を壊さずきれいに剥離された画像をUPした方を尊敬しちゃいます。

一応回路図に起こしてみたものの、リードを切ってしまった箇所や部品を破損してしまった箇所が多すぎて、シュミレーターにかけて作動する回路図にすることができませんでした。不明部分を補うスキルもありません。

アキバの秋月電子通商さんでは、温度センサースイッチキットなるものが売られています。2個のトランジスタを使いサーミスタの抵抗値によってON・OFFを制御するというものです。

純正のサーモアンプよりさらに単純だけれど、基本はこれで良いのでは?と考え、シュミレーションサイトでおよそ8kΩで作動するように抵抗値を決めてブレッドボードでテストしました。

安定化電源で試したところ、サーミスタの代わりにつないだ可変抵抗を回すとインジケータのLEDが点いたり消えたりしリレーが作動します。使えるか?実車で試すと作動ポイント付近でリレーがカチカチとオンオフを繰り返してしまい失敗です。

シュミレーションや安定化電源の実験では、抵抗値の変化がサーミスタより急激なのでその症状は出なかったのですね。リレーコイルに並列に大きめのコンデンサを入れて遅延させても結果は残念。やはりヒステリシスがほぼゼロでは駄目なようです。

いろいろググってみると、負荷がリレーの場合は完全なオンオフの出力信号が望ましく、それにはシュミットトリガ回路を使うとありました。この回路を使うとその特性上ヒステリシスが発生するとのこと。この回路を使えばうまくできそうです。

シュミットトリガについてググるとたくさん出てきますが、結構難しそうで拒絶反応が出てしまいます。基本から理解している人には簡単なんでしょうけど。

一から計算するのは半ばあきらめて、参考値としてあった各抵抗値の組み合わせを入力してシュミレーションサイトを使うと、案の定そのままでは作動しません。5個の抵抗の内、出力側トランジスタのエミッタにぶら下がっている抵抗値を大きく変化させると、回路が動きはじめました。

これを足がかりにシュミレーションしていくと、『この抵抗を大きくしたら、ヒステリシスが大きくなる』とか『こことここの抵抗比がヒステリシスとイコール』とか、そんな単純ではないもよう。

それでもいじっているうちにシュミレーション上でうまく動くようになってきた(まぐれですね)ので、次はブレッドボードと安定化電源でテストします。
画像はうまく動かなかったときのもの
直接ACリレーを駆動すると、机上でのテスト結果とズレが生じるかもと考え、出力にフォトMOSリレーを入れてそのリレーの出力でACリレーを動かすことにします。

ちなみに、ACリレーが作動しているときのコイル電流値は約11mAほどでした。

最終的にサーミスタの抵抗値が8kΩでOFFになるよう各抵抗値を決めると、6kΩでONになるようにできました。温度ではそれぞれ2℃・7℃といったところでしょうか。

そのまま実車でテストすると、問題なく作動するようです。

続く

ローバー・ミニのエアコンサーモアンプ修理(というか製作)その1

ACリレーがカチッといわず冷風が出ません。ウッドパネルを外してサーモアンプを取り出して、青黒をアースに落とすとコンプレッサーが動きました。原因はお決まりのサーモアンプ不良のようです。
直結カプラー
とりあえず、画像のカプラーに差し替えてしばらくは完全マニュアルクーラーとしてしのぎます。

また、そのままでウッドパネルを戻すと、エアベンチの穴からカプラーの差し替えが出来なくはないけれど非常に困難なので、10センチほどのエクステンションハーネスを作って、助手席ダッシュ下からアクセスできるようにしておきました。

さて、ミニのサーモアンプ、買うとなると高いのですね。数が出ないからといったらそうなんですが、部品的には数百円ぐらいの気がします。

まずは基板のパターン面にすべて追いハンダしてみます。ルーペで詳細に観察しても怪しいところはなかったのですが、それで直ったという事例もあるようなので。結果は、残念。

次に、市販の汎用サーモスタッドスイッチを使ったらどうか?と考えました。中国製のものなら300円程度から選べます。サーモアンプのようにアナログではなくデジタル制御で、ものによっては作動温度はもちろんオンオフの作動温度差も設定できます。
汎用サーモスイッチ
入手したのはSTC-1000の12V仕様。使用にあたりミニ側の条件を確認してみます。問題となるのはミニのエアコンに装着されているサーミスタの仕様です。

この手の汎用サーモスタッドスイッチは大抵10KΩのサーミスタが付属しているようです。で、ミニは気温25度のとき2.3kΩ。どちらも温度が下がると抵抗値が上昇するNTCタイプですので使えないこともない・・・。もちろん正確な測定温度・実際の測定温度を表示することは出来ません。

STC-1000は付属のサーミスタで測定温度が100度を超えるとエラーが出ます。ミニのサーミスタに直に接続すると、夏場の炎天駐車などで高温になると表示温度は実際よりもかなり高くなるのでエラーになる可能性があります。一度切ればリセットされますが、それではいつまでもエアコンが作動せずに暑いままです。

サーミスタに直列に2kΩの抵抗を接続し、ミニの温度調節ダイヤルの可変抵抗も直列に繋ぎSTC-1000のサーミスタ端子に繋ぎます。

純正ハーネスは、黄黒と黄赤が温度調節ダイヤルの可変抵抗へ、灰赤と灰がサーミスタへ、青黒はACリレーのコイルから、青がサーモアンプの電源に、ギボシ端子の青白がエアコンスイッチを経てアースに繋がっています。

青黒をSTC-1000のリレー出力の一方に、青をSTC-1000の電源+に、青白をSTC-1000の電源-とリレー出力のもう一方に接続します。念の為、青白ラインにヒューズをかましておきました。

温度設定は夜間外気温が約25度で風量最弱・ミニの温度調節ダイヤルMAXで吹出口温度が2~3度に達した時点の表示温度45度に設定。計算上はミニのサーミスタが7kΩ/約2度?でOFFになる設定です。

温度設定の最低限の条件として、外気温が低い状態(ミニのエアコン冷房能力が環境条件を上回る場合)でも室内機が凍らない温度にしたいと考えました。凍ると能力が低下してしまいます。

その温度が吹出口温度で2℃というのは、全く根拠がなく『勘』なのですが。

STC-1000は電動コンプレッサー保護用にディレイ機構がついており、それが0には設定できないことから1分に設定。それも加味して、ヒステリシスは3℃に設定しました。表示温度45℃でコンプレッサークラッチが切れ、そこから+3℃の表示温度48℃でディレイカウントが開始して1分後、表示温度50~51℃で再びACリレーが作動します。

ミニの温度調節ダイヤルを使用すると、感覚的には純正より高温方向に広い範囲の温度調節が出来るようになった気がします。

ちなみに、ミニのサーミスタは2.3kΩ/25℃/B定数4076(文末に修正値あり)、STC-1000のサーミスタは10kΩ/25℃/B定数3273で計算しています。ミニのサーミスタB定数は気温で計測して算出したため、計測温度差が少なく正確性に欠けます。また、ミニの温度調節ダイヤルの可変抵抗は『MIN』(弱)時で約2.7kΩ、『MAX』でほぼ0Ωでした。

しばらく運用したところ、サーモアンプの代替として機能的にはほぼ問題なく動作します。車載後に温度設定に不満が出てもボタン操作で変更するだけですし。

唯一の機能面での不満は、ディレイが0に設定できないために使い始めも1分間冷風を待たなければならないこと。これは実際に使ってみて気が付きました。

こちらのサーモのほうがシンプルで良かったカモ。

機能面以外では、車載を考慮したものではないので耐震などに不安があることでしょうか。それと、STC-1000のリレーはデバイスをそのまま動作できるそれなりの容量のものなので、ミニのACリレーの動作に使った場合は負荷が小さすぎて耐久性的にどうなのかなと。

それと、設定を終えてしまえば意味のないディスプレーが心情的に?設置は見えないところにするわけなんですが、ダッシュボードの中で光っていると思うと・・・。

続く

※本文中『ミニのサーミスタは2.3kΩ/25℃/B定数4076』と記述しましたが、その後もう少し温度差のある抵抗値を計測でき、再計算したところ、B定数4531と出ました。
おおまかな抵抗値です。数値を保証するものではありません。