ちょっと贅沢 ベロフレックス マスター ケブラー700-20c(veloflex master kevlar)

 前任タイヤが終焉を迎えつつある頃、次期候補に上っていたのがこのタイヤです。各インプレ記事では最高の評価をうけ、『イタリアンハンドメイドオープンチューブラー』という肩書きにもまいってしまいました。心配は重量180gの完全なレーシングタイヤであることから、この価格(最安で前後1万円なり)でどの程度の耐久性があるか気になるところ。購入をためらっていたところ、オークションにて出会いがあり定価の半額程度(何でも特価にならないと踏ん切りが付かない自分)で入手しました。物はジャスト180g。かなりトレッドゴムが薄い感じです。結果的にGP3000 より安く手に入れたのですが、そのはかなさげなタイヤ風情に使うのがもったいない気がします。前任タイヤをもう少し使い倒そうと考えていた矢先に加速度的に件のほころびが進んだためやむなく交換。そんなわけで、懸案のラテックスチューブ採用は純粋にタイヤの特性の違いを確認する目的も含めつつ次回見送りとしました。装着はパナレーサーと同等のきつさです。タイヤレバーで力技ではめました。エア圧9Barで試乗したところ、GP3000に比べ極端に漕ぎ出しが軽くはありません。しかし、乗り心地はよくて、見た目よりだいぶ太いタイヤに乗っているような感覚です。歩くような速度で走ると、走行抵抗が小さいせいでしょうか普段は感じない微妙な下り坂を感じることができます。 日を置いて少し長距離を走ってみると 、俄然その漕ぎの軽さが顕著に感じられます。そして、スムーズ!諸先輩方のインプレ通りです。大げさに言えば1段重いギヤが踏める感じです。タイヤだけでこれだけ違うのですから、やはりラテックスか昨今流行の軽量チューブと組合さないともったいないかもしれません。グリップも高レベルですし、自分にはあきらかにオーバースペックですね。まぁ、もうおじさんですから『高級タイヤの上質な乗り味を楽しむ』のもちょっとした贅沢として許してください。こういうことをとやかく言うタイヤではないですが、あとは耐パンク性と耐磨耗性ですね、根が貧乏性なもんで。決戦用として使われることが多いせいか、それとも第一印象の乗り味にまいってしまうのか、この点についてはあまりレポートされていないようです。荒れた舗装路やCRにあるフラットなダートを通過した限りでは、ことさらに不安は感じなかったですが。
つづく

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