ポータブルヘッドホンアンプ





スマートフォンの音声出力があまりにしょぼいので、流行りのヘッドホンアンプを作って(というか結線して)みました。
  • ヘッドホンアンプとしての存在感がある筐体の大きさで、できるだけ小さいもの。
  • 十分な音量が取れること。
  • そこそこの音質。
  • 乾電池駆動。
  • 回転式のボリューム。
市販のヘッドホンアンプはリチウムバッテリーの充電式が多いようですね。不定期な使用を考慮して乾電池式を選択。

アンプ自体はMAXIM社のMAX4410チップを使用した実装済み完成基板を使いました。なので、ほぼ結線のみで完成です。

筐体:タカチ LCS115‐F3WG
アンプ基板:MAX4410実装済み基板
可変抵抗器:マルツパーツ RD925S-QA1-A103スイッチ付2連式ボリューム A特性 10kΩ
疑似T型?アッテネータ回路用抵抗:Vishay Dale 無誘導巻線抵抗 NS-2B 5.6kΩ

 入手した基板が収まりそうな筐体で、電池交換が容易なものとなるとタカチのLCシリーズあたりでしょうか。同じシリーズで厚さのあるタイプ(LCS115H)だとかなり大きく感じます。スペースに余裕がある分工作は簡単そうですが。

基板にはボリュームとイヤホンジャックも実装済みで動作確認時は手間なしなんですが、筐体には納めにくい(ボリュームの大きさが物理的に収まらない)ので両方とも取り外し、ボリュームの実装箇所はジャンプさせました。同じMAX4410チップで可変抵抗と出力ジャックが未実装の基板もあるようです。こちらのほうが大きさも小さく使いやすかったかもしれません。

ケースには基板固定用ダボがありますが、基板高さ(コンデンサ部分)が筐体ぎりぎりなのでドリルとルーターで除去しました。

また、基板実装型の可変抵抗も、基板に実装した状態はもちろん単体でも横に寝かさないと入りません。筐体のパネルには裏側に段差があり、ここもルーターで削る加工が必要でした。

いずれの加工もケース素材が樹脂ですので容易でした。

ケーブルがのたうってます
音量調節には左図のような疑似Tアッテネータ?回路を使いました。

可変抵抗に、この手の可変抵抗では音が良いといわれるマルツパーツのLinkman製を、固定抵抗の接続はエフェクター的な使い方ができるようにコネクターで差し替えられるようにしました。

チップにはポップノイズ抑制回路が組み込まれているようで、電源投入時のノイズはありません。

能率の低い100均イヤホンでも最大にはできない十分な音量がとれました。普段使いのwestone UM2ではさらに音量がとれまったく問題ありません。試験的に据え置き型オーディオで使用しているゼンハイザーヘッドホンHD400(600Ω/88dB)では、ボリューム最大でもおとなしめの音量にしかならず実用的ではありませんでした。使用には抵抗をパスさせるなど何らかの対策が必要なようです。今どきの低インピーダンスで高能率なヘッドホンであれば全く問題ないと思われます。

当初、固定抵抗に音響用のタクマンREYを使いました。アンプ基板そのものの音色に近く、良い音なんですが優等生的でなにかもの足りない感じ。そこで、Vishay Dale NS-2B を使ったところ好みの音色に近くなりました。

電池は単4×3本で、交換を忘れてしまうくらい長く持ちます。なので、連続駆動可能時間の検証はできていません。

購入したタカチのケースは専用のシリコンバンパーがついてきます。色はライムグリーンとのことですが限りなく黄色です。はめてみたところ、やはり一回り大きくなってしまいますね。耐衝撃性は高そうですが。

鞄の中でボリュームノブが不用意に動かないよう、また、イヤホンプラグとジャックの保護やイヤホンケーブルを安全に巻きつけておく形状を兼ねた革ケースを簡単に作ってやり、携行時は市販の適宜なセミハードケースにイヤホンとともに収納することにしました。

ちなみに、緑色の市販汎用ケースはホームセンターのコーナンで購入。この手のセミハードケースでは縦方向に開く(180度全開にはならず30度ほど)のが珍しいかもです。また、厚み方向に若干自由度があり、空の状態では薄くなります。その分、厚みが変化しないものに比べプロテクション性は劣ると思われますが、タカチの筐体には測ったようにぴったりサイズで気に入ってます。


2 件のコメント:

  1. 市販品みたいで流石です。売れるんじゃない。

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  2. 実際の見た目は何かの測定機器とか補聴器のようでそっけないですよ。棟梁にもその点突っ込まれました。とても音響機器には見えません。狙ってやってるってのもあるんですがね。

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