取外したベアリングとシール |
左ホイールは上下前後両方向に掴んでガタがあり、ブレーキをかけた状態でも変化がありません。右ホイールは同じく両方向にガタがあり、ブレーキをかけると前後方向は解消、上下方向は軽減されました。この観察から、左ホイールは上下ボールジョイント及びステアリングロッドエンド、右ホイールはハブベアリング及び上下ボールジョイントが原因と推察して作業しました。
外れないスイベルハブ
実は、2年ほど前にボールジョイントのシム調整のためにハブを外そうとしたところ、ドライブシャフトとベアリングインナーレースが固着したのか押そうが引こうが叩こうが外れず、そのままの状態で上側のボールジョイントのみ調節して、あとはグリスアップでお茶を濁した経緯があるのです。ここが外れないとドライブシャフトを含めたアッシー交換で恐ろしい見積り額が提示されそうです。まずはここをクリアしないとなんともならないので、ハブナットを緩めて走行するという荒業を試そうと思いました。ところが、いざハブナットを緩めてみると・・・なんということでしょう!指でドライブシャフトが押し込めるではないですか!反対側も同じ状態で固着が解かれています。ラッキー!これで作業が進められます。
喜び勇んで作業を進めるもまたもや問題が
今回はなぜか左側のボールジョイントとアッパーアームの嵌合が外れません。プーラーが壊れるかというほど締め込んでもびくともしません。いけないことですがインパクトも使ってしまいましたが、それでもダメでした。怪我してもつまらないので、ここで浸透潤滑剤だけ吹いて後日の仕切りなおしです。
外れないボールジョイント嵌合の外し方
先ずナットを緩めて少し走行しました。アッパーアームの下に適当な角材をあてがいハンマーでネジ山を痛めないようにガツガツ叩きました。そしてアッパーアームの嵌合部分外周をコンコン。ここでプーラーをかけて締め込むと・・・バキィッ!ひときわ大きな音を立てて外れました。一つづつ検証しなかったのでどれが有効なのかはっきりしませんがおおむねこんな感じで外れるようです。
インパクトレンチが威力を発揮!ボールジョイントシム調整
シム調整はシムを入れてはドーム型ナットを規定トルクの10kg/mで開け閉めして具合を見るという作業。シム枚数が一発で決まったとしても一箇所につき最低2回は開け閉めしなければなりません。ハンドツールで作業すると嫌になって途中で妥協することも。オルタネータの交換で導入したエアインパクトレンチを使ってみたところ、自分の納得がゆくまで調節できました。ただ、締込み時のトルクは管理出来ませんので、トルクレンチの緩めトルクなどから打撃数を割り出しておいて仮締め時に使用するのが良いようです。ちなみに自分の場合はレンチのトルク調節最強で5打撃を目安にしました。もちろん最後の締め付けはトルクレンチを使用し管理しました。
このエアインパクト、ハブナットにも使用しました。規定トルク下限の25kg/mで締まったナットは難なく緩みましたが、割りピン穴位置を合わすためにそれからさらに締め込んだナットには、5打撃×5セットくらいの使用が必要でした。能力的には3/4差込角のレンチの方が適しているようです。そうすると大きく重くなって取り回しが悪くなりますので間をとって1/2でツインハンマーがベターな選択でしょうか。ミニのホイールナットでは必要性をあまり感じないのでいままで導入してなかったのですが、あると非常に便利な工具です。コンプレッサーを所有しているならオススメです。
ハブベアリングの交換
お次はハブベアリングの交換です。ダストシールを表裏両側から外します。ベアリング共に再使用前提ではないのでドライバーでこじるも外れません。専用のシールリムーバーなる工具も存在しますが持ってないので、画像の工具を使用したところうまく外れました。本来はスプリング外しですが先端の曲がりが良い感じで作用してくれました。
インナーレースとスペーサーを取り出し、アウタレースをポンチを使って叩き出します。ハブの内壁を傷つけないようにレースをまんべんなく軽く叩くと難なく外れてきます。内部を洗浄し薄くグリスを塗って新品のアウターレースを最適なサイズのベアリングドライバーで圧入します。ソケットコマやポンチでも出来なくはないでしょうが、サイズも通常所有しているとは思えない大きさですし、アウターレースの縁はかなり薄いのでここはSSTを使用したほうが良いと思います。
手のひらにグリースを取りベアリングで掻きとるようにしてまぶし、元のようにセットします。ダストシールをベアリングドライバーで嵌めこんで終了です。
足回りをバラしたついでにタイロッドブッシュも交換。ここはシリコンスプレーをブッシュに吹いてから組むと収まりよく一方向へのヘルニアを防げるような気がします。
ドライブシャフトを洗浄し浮いたサビを細かい紙やすりで取り除きます。グリスを塗って元通りに組み、回り止めをして規定トルクで締め付けます。
左ホイールのステアリングロッドエンドも新品に交換。もちろん元通りの位置に組めるよう、ロックナットをスパナを挟んだ位置で固定し、位置決めしてからスパナを外してロックナットを締めました。この部分をハブから伸びるステアリングアームに嵌合させるとき、緩み止めのナットと供回りしてうまく締められません。下からジャッキでテンションかけるのが一般的ですが、ナットの下にレンチなどスペーサーになるものを挟んでナットのロック部分をキャンセルして締込み嵌合させると、あとは簡単に締め込めます。
結果は上々、ガタは無し
すべての方向でガタは解消しました。めでたしめでたし。
喜び勇んで作業を進めるもまたもや問題が
今回はなぜか左側のボールジョイントとアッパーアームの嵌合が外れません。プーラーが壊れるかというほど締め込んでもびくともしません。いけないことですがインパクトも使ってしまいましたが、それでもダメでした。怪我してもつまらないので、ここで浸透潤滑剤だけ吹いて後日の仕切りなおしです。
外れないボールジョイント嵌合の外し方
先ずナットを緩めて少し走行しました。アッパーアームの下に適当な角材をあてがいハンマーでネジ山を痛めないようにガツガツ叩きました。そしてアッパーアームの嵌合部分外周をコンコン。ここでプーラーをかけて締め込むと・・・バキィッ!ひときわ大きな音を立てて外れました。一つづつ検証しなかったのでどれが有効なのかはっきりしませんがおおむねこんな感じで外れるようです。
インパクトレンチが威力を発揮!ボールジョイントシム調整
シム調整はシムを入れてはドーム型ナットを規定トルクの10kg/mで開け閉めして具合を見るという作業。シム枚数が一発で決まったとしても一箇所につき最低2回は開け閉めしなければなりません。ハンドツールで作業すると嫌になって途中で妥協することも。オルタネータの交換で導入したエアインパクトレンチを使ってみたところ、自分の納得がゆくまで調節できました。ただ、締込み時のトルクは管理出来ませんので、トルクレンチの緩めトルクなどから打撃数を割り出しておいて仮締め時に使用するのが良いようです。ちなみに自分の場合はレンチのトルク調節最強で5打撃を目安にしました。もちろん最後の締め付けはトルクレンチを使用し管理しました。
このエアインパクト、ハブナットにも使用しました。規定トルク下限の25kg/mで締まったナットは難なく緩みましたが、割りピン穴位置を合わすためにそれからさらに締め込んだナットには、5打撃×5セットくらいの使用が必要でした。能力的には3/4差込角のレンチの方が適しているようです。そうすると大きく重くなって取り回しが悪くなりますので間をとって1/2でツインハンマーがベターな選択でしょうか。ミニのホイールナットでは必要性をあまり感じないのでいままで導入してなかったのですが、あると非常に便利な工具です。コンプレッサーを所有しているならオススメです。
ハブベアリングの交換
お次はハブベアリングの交換です。ダストシールを表裏両側から外します。ベアリング共に再使用前提ではないのでドライバーでこじるも外れません。専用のシールリムーバーなる工具も存在しますが持ってないので、画像の工具を使用したところうまく外れました。本来はスプリング外しですが先端の曲がりが良い感じで作用してくれました。
インナーレースとスペーサーを取り出し、アウタレースをポンチを使って叩き出します。ハブの内壁を傷つけないようにレースをまんべんなく軽く叩くと難なく外れてきます。内部を洗浄し薄くグリスを塗って新品のアウターレースを最適なサイズのベアリングドライバーで圧入します。ソケットコマやポンチでも出来なくはないでしょうが、サイズも通常所有しているとは思えない大きさですし、アウターレースの縁はかなり薄いのでここはSSTを使用したほうが良いと思います。
手のひらにグリースを取りベアリングで掻きとるようにしてまぶし、元のようにセットします。ダストシールをベアリングドライバーで嵌めこんで終了です。
足回りをバラしたついでにタイロッドブッシュも交換。ここはシリコンスプレーをブッシュに吹いてから組むと収まりよく一方向へのヘルニアを防げるような気がします。
ドライブシャフトを洗浄し浮いたサビを細かい紙やすりで取り除きます。グリスを塗って元通りに組み、回り止めをして規定トルクで締め付けます。
左ホイールのステアリングロッドエンドも新品に交換。もちろん元通りの位置に組めるよう、ロックナットをスパナを挟んだ位置で固定し、位置決めしてからスパナを外してロックナットを締めました。この部分をハブから伸びるステアリングアームに嵌合させるとき、緩み止めのナットと供回りしてうまく締められません。下からジャッキでテンションかけるのが一般的ですが、ナットの下にレンチなどスペーサーになるものを挟んでナットのロック部分をキャンセルして締込み嵌合させると、あとは簡単に締め込めます。
結果は上々、ガタは無し
すべての方向でガタは解消しました。めでたしめでたし。
2 件のコメント:
お疲れ様です。なんか楽しそうですね!
世話の焼ける子ほど可愛いって奴ですね!
いつも応援ありがとうございます。結果が良ければ楽しい作業です。作業をし始めるまでがなかなか億劫ですけど。
もう一台、1Lの世話の焼ける子が欲しい今日このごろ。
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