右側が『キチクロZ』、左奥が電源系で、銀色のシートは『ノイズフセ-グ』 |
今回、新しいD/Aモジュールを入手したので、換装と同時にレイアウト見直しで全面変更。
銅箔GNDとかフェライトコアとかいろいろやってるんだけれど、当たり前のデジタル/アナログ電源分離と、なにげにノイズフセ-グシートが効果的だったりします。電磁波出てるんでしょうね。
音出ししながらシートを使う位置を決めました。全面に使えばいいというものでもないみたいです。貼り方によってかえって大きくなったり。最終的には一番左のデジタル系基板GNDケーブルにも巻いています。
いままで、単4電池1本をデジタル系基板用に昇圧する仕様でした。ニッケル水素電池を使うと電圧が足りないためにすぐに落ちてしまいます。そこで、電池の割り振りを変更し2本:4本の構成に。そのため、両方とも昇圧してます。
※以下は2019年夏に下書きとして放置してた記事です
イヤホンを新調したら、新しいポタアンが欲しくなって『キチクロZ』というHPA基板キットを組立ててみることにしました。このキット、あまりの部品の小ささに組立てを躊躇する人も多いようです。スルーホール基板のハンダ付けしかしたことのないぶきっちょな自分にも完成できるでしょうか?キットで完成品より安いとはいえ、動かなかったらかなりの痛手・・・。
通販で届いたキットを確認すると、表面実装部品の実物は想像以上の小ささです。通常の活字を読む用の老眼鏡だけでは、チップ抵抗の表記どころか基盤に印刷された部品番号も読むことができませんでした。
これでは当初考えていた2~3倍の虫眼鏡タイプの拡大鏡では自分には役不足なようです。そこで10倍程度まで拡大できるヘッドバンドタイプのルーペを導入しました。自分の場合は老眼鏡とこのルーペの最大倍率でぎりぎりチップダイオードの極性判別やハンダの状態確認ができ、3倍でハンダ付け作業をしました。ちなみにこのRSのルーペ、作りは値段なりですが不具合もなくバンド調節がダイヤル式で使いやすく感じました。
他には、φ0.6㎜の精密基板用ハンダ、フラックス、ハンダ吸い取り線などを新たに購入しました。
ハンダこては30年以上前に中学校の技術家庭科の実習で組立てた木柄のこて。今ではそんな授業はないんでしょうね。当時は学年の男子全員がはんだこてを所有していたことになります。それまでは家にあったコテ先が傷んだこてしか使ったことがなかったので、このこてを使って急にハンダ付けがうまくなったように感じたことを記憶しています。
以来使い続けているこてですが、さすがにこて先は何度か交換しています。表面実装用ということで、今回は先の平らな物(BC型)を新調しました。極細円錐形に先の尖ったものより素早く熱が伝わりやすく使いやすいようです。
キットの基板には練習のためのスペースがあり、余計に入っている0Ωのチップ抵抗で表面実装部品のハンダ練習ができるようになってます。ぶきっちょなのに無精者でもあるので練習もせずにいきなりやってみました。実はチップ抵抗はキット付属のRRからRGに換装すべく多めに入手していたので、失敗してもやり直せばいいやという思いから。
練習後に基板から外すのも面倒だし。(って、外す練習という意味合いもありますね)
いきなりの一つ目は、若干のハンダ盛り過ぎはあったものの短略もなく導通も問題なし。2~3コこなすうちにはスムーズにできるようになりました。見た目は二の次です。
作業は100均で売っているキッチン用などのシリコンマットの上に基板を乗せて行いました。滑らず熱にも強くて簡単に基板の方向を変えられて作業がはかどります。若干静電気を帯びやすいのですが、夏だから大丈夫ということにしましょう。
- パターンの片側にごく少量のはんだを置きます。
- 基板にフラックスを塗ります。
- 置きハンダした方のパターンが利き手側になるように基板を向けて、部品を利き手に持ったピンセットで摘んで基板上に置きます。
- 利き手でない方にピンセットを持ち替えて部品を保持し、利き手で置きハンダにこてを当てて溶けたら部品をずらして所定の位置に。
- 正しい位置に固定できたら、基板の向きを変えて反対側をハンダ付けします。
- 必要に応じて、置きはんだした側に再度フラックスを塗りハンダを盛ります。
- ルーペを最高倍率に切り替えてハンダの状態を確認します。
順番はおおむね部品表どおりで良いのですが、ボルテージレギュレーターだけは周囲がさらにタイトで、周りの部品よりも先にハンダ付けしたほうが良いと感じました。
後からの間違い探しや修正は面倒ですので、極力間違いがないように慎重に作業を進めて5時間ほど。もう一度ざっと確認して基板が完成しました。初めての表面実装基板なのでこんなものでしょうか。
キット内のオペアンプAC8666は普通っぽい音をねらってMUSES8920に換装しました。チップ抵抗はRRからRGに変更しています。LME49600のBW端子は基板にあるジャンパーパターンを使ってジャンパーしています。具体的には各LME49600の一番左の端子とその脇にあるパターンを0Ω抵抗で接続します。設計者いわく、ジャンパーさせるとキチクロZが覚醒するんだそう。やらないわけにはいきませんね。
電源を接続するとLEDが点灯しあっけなく起動。仮接続のイヤホンから出音を確認できました。この時点でかなり期待させるような音がでています。
電流値を計測すると約80mA。これはBW端子をジャンパーした状態の正常値のようですね。
006Pの9Vから単4×5本の7.5Vまで落としても、音量・音質ともにほとんど変わりません。3本の4.5Vまで落とすと音量が少し落ちるような気がします。電池ケース付きの筐体の都合から、今回は単4×5本で駆動することにします。
使用するケースは
タカチ電機工業 LC145S-F6-W
単4×6本の電池ケースがついたプラスティック製ケースで、一番薄い形状のもの。ポタアンに使えそうなこの手の汎用筐体は種類の多さも構造も使い勝手の良さも価格もタカチの独壇場です。流用品を含めいろいろ探してもタカチにならざるを得ませんでした。
ただこれもベストではなくて、こうであればよいのにと思われるところはあります。例えば、電池個数などのラインナップは豊富ですが、それでも限りがあるので、中に基盤とともに電池ボックスを仕込むのを前提とした丁番開閉式の汎用モバイルケースであるとか。できたら格好良いアルミ製でそんなのがあれば良いのですが、まずないのですね。
ケースのデフォルトの電池本数6本9Vを、アンプ基板用の単4×5本とD/Aコンバーター内蔵基板用の単4×1本1.5Vに分割するため、ケースを加工します。電池ケース端の2本の電池をまたいでいる端子を外し、ケースに穴を開けて+-二つの独立端子に交換します。こんな加工が出来るのも端子がリペア用として用意されているタカチならでは。このままでは端子の固定が弱く隣り合っているため短略しかねないのでUV硬化樹脂で絶縁固定しました。筐体内側に4つの端子が出来て完全独立電源となりました。
UV硬化樹脂はジェルネイル用を使いまわしています。100均のチューブ入りのものより粘度が高く肉盛り性が良いので使いやすく感じました。また、UV硬化樹脂はメルトガンに比べて細かい所も硬化前にじっくり作業ができるのでおすすめです。UVランプは紫外線LEDのフラッシュライトタイプをつかっています。これもジェルネイル用として通販などで売られているものです。ただ、UVランプが影になってあたらない部分は硬化しないので注意が必要です。
次はパネルの穴加工です。所有する小さめのサイズのドリルで穴を空けたあと、リーマーで微調整します。タクトスイッチ、LED×2、イヤホンジャック、そして角穴の電源用ロッカースイッチ。角穴はドリルのあとにルーターで切削していきます。
ルーターにしろヤスリにしろ、ぶきっちょな自分には不得意な作業です。スライドスイッチなど角穴が見える部品は恥ずかしくて使えません。今回使用したロッカースイッチはフランジで隠れてしまうので問題ありませんが。できれば面倒がない丸穴で使えるスイッチが良いのですが、11㎜しかないパネル幅に開けられる丸穴で使えるスイッチはトグルしかないのですね。
タクトスイッチとLEDはUV硬化樹脂で固定しました。
電源その他をまとめるべく、空きスペースに収まる大きさにユニバーサル基板をニッパーで切断しルーターで整えます。回路図が必要なほど複雑ではないものの、基板上に平たく再現出来るほどスペースもないので、描画ソフトで実体配線図を描いて部品配置を決めます。手書きと違い、いくらでも移動や書き直しが出来るので便利ですね。また反転した画像も簡単に出来るので、それを見ながら基板裏側の配線もスムーズに作業できました。
二つの独立した電源を同時に一つのスイッチで動作させるのにフォトMOSリレー『TLP222AF』をつかいました。ロッカースイッチを介した1.5Vの電源に150Ωの電流制限抵抗でリレーを動作させ、7.5Vのアンプ用電源をオンオフします。
逆接保護用のショットキーバリアダイオードとポリスイッチを通った1.5V電源は、出来合いの基板で3.3Vに昇圧しD/Aコンバーター内蔵基板に供給。
基板のインジケーター用LEDはテストして明るさと電流値を確認して、薄暗く点灯する程度の抵抗値に決めました。3.3Vで10kΩ、7.5Vで1kΩ。
試聴するとすごく緻密でいい音ではあります。前作の安アンプMAX4410と比較して良くなってないところはないのです。全てに上回ってる。でもなんか一味足りないような・・・。余計な味付けは要らないって意見もあるけど。完全に好みですけどね。
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