『BGM用MP3プレーヤー』の改造~失敗編

 BGMを聴きながら仕事をしようと思い、こんな感じのものが3千円くらいであったらいいなぁなどとアキバをさんざんうろついた挙句、980円で『MP3スピーカー』なるものを購入。

980円のMP3スピーカー










家に帰って鳴らしてみると、まぁ普通に鳴るわけです。きちんとした箱にスピーカーユニットがついているせいか、価格を考えれば上出来。音楽が聞こえればいいというような用途ですからこのまま使用出来れば面倒なくてよかったのですが、欠点は充電式なことでした。USB充電器を使った充電でこの価格ですから過充電防止機構などついておらず、ACに挿しっぱなしというわけにはいきません。6時間充電して5時間再生し再び充電。持ち歩くのならともかくそうでない場合は煩わしいですね。そこで、ユニットをマイナスドライバーでコジって外し、バッテリーからのケーブルを抜いてキャンセルしてみました。結果は・・・公称6Wのアンプですから、やはり充電器の出力(500mA)では足りないようで音量が上げられず停止してしまいます。

バラしてみました



改造の可能性を探るべくとりあえずバラしてみることにします。SPユニット、MP3+アンプモジュール、赤外線リモコン受光素子+操作ボタン、可変抵抗、バッテリーで構成され、穴の開いたMDF製の箱にグルーガンで接着されていました。

ちなみに、前面につくスイッチと一緒になっているスピーカーに見える物体はダミーで、ご苦労さんなことに網の中にはユニットの写真が入ってました(笑)。ネット販売なんかでは『3スピーカー』と謳ってるサイトもあるみたいですけど・・・。

電源に容量の大きなアダプターを使えばバッテリーを使わずに駆動でき、公称で6W/4Ωも出力があるので、若干大きなスピーカーユニットを使ってきちんとした箱に納めてやればもっと良い音で鳴ってくれそうです。

8Ωなので片CH並列で2コ使用
エンクロージャーに使用する材は古くなって廃棄する、仕事に使っていた道具類をバラしたものを使うことにします。若干の部品調達のため再び秋葉原へ。メーカー製の素性のしっかりしたユニットを使うと予算を上回ってしまいます。元が1000円未満のものですのでそれなりのものをということで、秋月電子で画像の300円/1コの8㎝ユニットを購入。他に電源SWと5V/3AのスイッチングACアダプターを入手しました。

このユニット、8Ω10W以外詳細は不明。マグネットは大きめのようです。取り付けはフレーム形状からいってバッフルの裏側からのほうがよさそうです。



ホールソーで穴あけ
使用できる材の大きさや置く場所からエンクロージャーの大きさを決定し、行き当たりばったりで製作を開始します。

今回はバッフル背面のユニット取り付けですが、バッフルごと取り外せるようにするには材も大きさも足りないので、全ての面の加工/
塗装をしてからユニットを取り付け、そのあとで組み立てることにしました。ユニットや内部構造(吸音材の量など)の変更が効かない嵌め殺しになりますがなんとかなるでしょう。

底板は物置に転がっていた9㎜厚のラワン合板。#400の紙やすりがけの後、オイルステイン+アクリル系クリアスプレーの簡易塗装。

穴あけが完了した前面パネル










前面操作パネルも端材の5.5㎜厚ラワン合板。ジグソー、ホールソー、リーマーを駆使し、取り付け穴をあけます。

塗装後の各モジュールは裏側からグルーガンで固定しました。

本体の組み立ては木工ボンド+木工用ビス、吸音材にはこれも廃品敷き布団のポリエステル中綿。密閉型ということで目一杯つめてみました。

結果的に出来上がったのは、少しでも容量を稼ぐため、左右分離壁を省いた約3.5Lの密閉型エンクロージャー。片CH約1.75Lに8㎝×2という計算です。

エンクロージャー部とは完全に分離された操作パネル裏側には、底面に開けた穴と前面のダミースピーカー部分を抜いて通風口とし、ACアダプターを内蔵。新たに電源SWを設けました。パネルの本体への取付は化粧ネジとしてヘキサゴンタッピングスクリューを使いました。

配線は今時の製品らしくカプラー接続ですが、同じ規格が手に入らなかったので、各ケーブル途中でハンダと熱縮チューブで結線します。これが0.5SQ以下と細くて難儀しました。



音出し・・・そして失敗?!
完成し、いよいよ音出しです。あれっ?口径のわりに豊かな低域ではあるんだけどヌケがよくないですね。ボーカルも前に出てこない。小口径ユニットなので高域は心配していなかったのだけど、それもイマイチ。エージングが進めば改善されるかと少し様子をみてみます。


次の日、一日仕事をしながら使ってみました。やはり好きな音楽を聴きながらの仕事ははかどります。よいものですね。数時間使用したことで嫁さんにもわかるほど音が変化しました。がさつな鳴り方だった中高域も改善し若干ボーカルも前に出てきました。


ただ、やはり設計が失敗ですねこのエンクロージャー。密閉型として容量が小さすぎるのか、Wユニットとしたのがいけなかったのか。充分な音量があり刺激のないうるさくない音(言い換えればこもった音か?)ではあるのでBGM用途としては充分のような気がしますが、使用する場所がノイジーなこともあり、音を大きくしないとはっきり聞こえないのはストレスが溜まります。ん~どうしよう?
つづく 完成編はこちら



5 件のコメント:

ながた さんのコメント...

DIYでここまで工作出来るなんて素晴しいですね。昔自作スピーカー作ってた時も感心していました。成功篇楽しみにしております。

mini_cyari さんのコメント...

いつもコメント感謝します。今回はいつも以上にやっつけなので辻褄合わせが大変でした。いままで何個も箱は作ったけどこんなに鳴らないのが出来たのははじめてです。さて、音の方も辻褄を合わせられるでしょうか?

dwaique さんのコメント...

ウチも事務所の天井埋め込みspをグレードアップしました!といっても製品の価格で比較すると1/6位なのでグレードダウン?従来はTOAの天井用の10センチユニットだったのですがこのユニットを2階の台所でBGMを聞きながら皿洗いをするために移植を計画。後釜のユニットを物色中にカーオーディオ用のユニットを使用する事にたどりつきました。今回購入したのは外国製で¥1580/2個(16cm)と安価な物でしたがユニットの上に吸音材(グラスウール)を施工、一応天井裏がSPボックスとして機能しているので価格の割りに音は良いです。(実は前より全然良い)
自作されたボックスには吸音材が入っていますか?バスレフ型でも箱の共鳴を抑えるのに吸音材はいれたほうが良いです。低音がしまりますよ

mini_cyari さんのコメント...

dwaiqueさんコメントとアドバイス感謝いたします。
元々のユニットが4Ωでしたので実は自分もカーオーディオ用のユニットを考えていたのですが、アキバに行った時に時間がなくて買えなかったのです。ノイズがある環境なんかだと具合良かったりしますよね。
吸音材はポリエステル系ですが、当初密閉型で作りましたのでガッツリ入っており、ユニットを含め外すことが出来ないので調節もできないんです(笑)。
嫁さんが店のほうで聴けないと申しているので年が明けたらそちらの方も何とかしようと思ってます。

dwaique さんのコメント...

すみません。記事を良く読まずに投稿してしまいました。boxの中には布団が入っているのですね。吸音材の量を調整できる構造であれば密閉型でも結果が違っていたのかもしれませんね。店のspを作る時には良い材料がありますよ。