部品を配置し終えたサーモアンプ基板 |
『ローバー・ミニのエアコンサーモアンプ修理(というか製作)その2』でブレッドボードで作動を確認したものを回路図に起こします。
自作サーモアンプ回路図 |
それをもとにブレッドボードパターンの片面ユニバーサル基板の実体配線図を書いてそのとおりに部品を配置しました。
自作サーモアンプ実体配線図 |
ブレッドボードでテストする関係でリード部品やブレッドボードパターンのユニバ基板を使ったこと、耐振動性を考えてなるべく寝かせて配置したことからけっこうギリギリの配置です。手慣れた方ならもっと合理的な配置もできるのかな?
汎用片面基板のせいか、部品に力を加えるとランドが剥がれやすいです。設置場所には余裕があるのでギチギチに小型化する必要はないのですが、振動のことも考え合わすと両面スルーホール基板にSMDのほうが良かったかもしれません。
回路図左側から、270Ωの抵抗とツェナーダイオードで12Vの電圧を作っています。そのままの電圧の場合、電圧変動により作動温度に若干ズレが出ました。
18kΩとサーミスタ+温度調整ダイヤルの可変抵抗(2.7kΩ)+多回転半固定抵抗(770Ω設定/2kΩ)+抵抗2kΩの分圧で、1つ目のトランジスタの作動を制御します。
右側2つのトランジスタと1k・30k・20k・680Ωの5つの抵抗がシュミットトリガ回路。シュミレーションサイトで見ると、出力がONになるときとOFFになるときで作動するトランジスタが切り替わります。
680Ωの抵抗2つは、フォトMOSリレー内のLEDと増設したLEDパイロットランプそれぞれの電流制限抵抗です。
パイロットランプは先の汎用サーモにもついており、コンプレッサーの動きを可視化できて便利だなと感じたから。実際にはコンプレッサーではなくアンプのONOFFを表しているだけですが。
走行中、人によってはこのランプの点いたり消えたりが気になってしまうのがデメリットかも。
ここにリレーを使ったのは、その先のリレー(ACリレー)の仕様によって動きが変わらないようにです。リレーを介さない場合は、実車でテストしての半固定抵抗を調節する必要があると思います。
機械式ではなく半導体リレーを選択したのは、出力先がリレーなので小さい負荷でも使えること、耐震性のある自動車用機械式リレーで小信号で使えるものがあまり売っていないことから。
ダイオードは出力先のリレーコイルのサージ電圧防止用です。47μFの電解コンデンサはACリレーのチャタリング防止の意味で入れてみました。
机上最終テスト |
ケーブルは0.75~1.25SQ・AVSの手持ちのもの。電気的にはもっと細くて良いし、そのほうが取り回しもしやすいですが、物理的に丈夫かと。
青白のアース線には念の為ヒューズをつけておきました。
筐体におさめてすべての電気的な接合をして、最終的に安定化電源で机上確認をします。間違いはなかったようで無事動作しました。
樹脂固定 |
防振対策としてホットボンドで冷却時間をおきながら固定していき、筐体を閉じて完成です。
車体への固定は、室内機カバー内側の室内機左側へ、接着剤付きのマジックテープでカーペットに固定としました。
完成した自作サーモアンプ |
赤いケーブルはパイロットランプへの結線です。
抵抗は各100本パックなど、予備も含めても合計2,000円程度でした。
※いつものことですが、記事の内容について一切責任持てません。参考になさる方がいるとは思えませんが、その場合は自己責任でお願いします。
22 件のコメント:
以前トランジスタに関してお伺いした事のある「まぎ」と申します。
随分遅いですが今頃になって暑くなってきたので部品も揃ったし、
サーモアンプの製作に取り掛かっているのですが、
トランジスタに関して実態配線図と回路図が合っていないと思うのです。
トランジスタの足の並びが平面向かって左からE、C、Bだと思うのですが、実態配線図はC、B、E、で並んでいます。実物写真でも足をひねって半田付けしているようには見えません。
実態配線図と回路図は矛盾が無いように見えます。
恐らく実態配線図のCBEの並びの書き込みと回路図のトランジスタの方向が違うのではないかと思います。
それか実物写真が仮組で適当だった?
どうでしょうか・・・。
投稿ありがとうございます。
ご指摘の通り一般的なトランジスタの端子配列は『平面向かって左からE、C、B、エクボ』ですよね。だとすると、実体配線図が間違っている・・・実写画像は動作確認したそのもの・・・そもそも回路図が間違ってる?
時間も経っており記憶も曖昧なので今一度精査したところ、記事中で使用したBC337トランジスタは通常と異なり端子配列が『平面向かってCBE』でした。秋月のデータシートでも真ん中がベースとなっていました。
というわけで、BC337トランジスタを使用する場合は回路図・実体配線図・実写画像ともに間違ってはいないようです。
逆に言うと他のトランジスタを使った場合は、実写画像のように組むと動かないということになりますね。
当時はこの記事を参考に制作される方がいるとは思わず、特殊な端子配列には触れなかったものと思われます。
わかりにくくてすいませんでした。自分でも忘れていたんですけども・・・。
あ、ほんとだ!
秋月のデータシートも見てませんでした。確かにCBEになってました。
配列が普通と違うとは思いませんでした。
実物写真が仮組にも実は見えなかったし・・・適当なんて書いてすいません。
お返事が無かったら実物写真のとうり組もうかと思っていました。
写真の情報ってすごいですね。
精査していただいてありがとうございます。
と同時にやっぱり自分で考えて作るのは難しいなとも感じました。
早速組み立ててみたいと思います。
早速のお返事ありがとうございます。
先日、組み立てして取り付けました!
パイロットランプも点いて無事エアコンが効きました!
のですが、冷えども冷えども一向に切れません。
いわゆる直結状態ですが、冷えないより全然いいです。
可変抵抗をいじってみましたがだめでした・・・。
一応報告させていただきました。
せっかく組み立てて作動しないのは悲しいですね。
ランプが点灯して冷えるということは、トランジスタが作動してアンプの出力はされているということですね。冷えてきても切れないとなると、サーミスタや温度調節VRあたりでしょうか。
カプラー部分で、サーミスタとエアコン温度調節ダイヤルのジャンプ配線忘れとかないですよね?一応念の為。
「カプラー部分で、サーミスタとエアコン温度調節ダイヤルのジャンプ配線」
とは記事にある写真「完成した自作サーモアンプ」で見えるカプラー部分の配線で端子と端子をただ繋いでいる白いやつの事ですよね?
それでしたらやってあります・・・。
温度調節VR(ボリューム?)水色のダイアル内の事ですよね?抵抗はかってみます・・。
サーミスタは何処の事でしょうか。
すいません、故障相談になってますね。
でもまあ、自分としてはエアコンが100%ON・OFFできるようになって
目的の80%は達成しています。
いままで直結してごまかしていたのですが、何故か直結でもエアコンは利かなくなり、
また直結だと風量0でもエアコンが動作していているような感じだったので壊れないか
心配だったのです。
白いケーブルを含め工作したものに間違いがなかったと仮定して、
・一旦アンプを外し、車体側カプラーの黄黒と黄赤ケーブル間の抵抗を測って、車体(ウッドパネル?)についているエアコン温度調節ダイヤル(温度調節VR)を回したときに抵抗値が変化(具体的には『MIN』(弱)時で約2.7kΩ、『MAX』でほぼ0Ω)すれば正常。
・灰赤と灰ケーブル間を測るとエアコン内のサーミスタの抵抗値です。常温時数KΩならほぼ正常。0Ωや数百KΩ以上とかだとおかしいかも。サーミスタは室内熱交換器の温度を測っている素子です。
『直結』というのは自分のエアコン関連記事の一番最初の『直結カプラー』と同じ配線ですよね?だとすれば、アンプがONになっているときは全く同じ動作です。
>風量0でもエアコンが動作していているような感じ
風が出ていないのにエアコンのリレーがカチっと入る?
>直結でもエアコンは利かなくなり
ずっと作動したままキンキンに冷えたあとに停止するとかでなく、ランダムに冷えなくなっちゃうのですか?だとすると原因はアンプじゃない(もしくは複合)かもですよ。
そもそもの症状
数年前にエアコンが効かなくなったので直結してエアコン強制稼働。
直結は青黒線を車体アースにつなげていました。(どこかで読んでやった)
去年暮れからエアコンが時々利かなくなる。暖かくなっても効かない。
きっかけ、タイミングが分からず。効かない割合が高いので直結から修理をすることに←今
風量調整も小が死んでおり実はmini_cyariさんの記事を参考に
ブロアファンレジスターも制作して今回取り付けています。
温度調節VRは
MINとOFFが同じで2.89kΩ
中間 1.5 kΩ
MAX 0.8 Ω
サーミスタの抵抗値 1.70kΩ(外気温26℃だが室温はぐっと高い)
温度調節VRはmini_cyari さんの言われている数値に近いようなので問題なさそうです・・・。
サーミスタは室温が高かったので参考にしかならないけれどめちゃくちゃな値ではないよう・・・。
温度調節VRとサーミスタは正常なようですね。
>パイロットランプも点いて無事エアコンが効きました!
ということは、一応コンプレッサーが動いて体感上冷風が出たということでしょうから、アンプやサーミスタ・温度調節VRなどが正常だとすると、室内熱交換器の温度低下が弱いのかもしれませんね。
一度、エアコン吹出口の温度を測ってみると良いかもしれません。自分のミニでは外気温など条件にもよりますが、夜間コンプレッサーを停止させないと5℃以下まで下がります。以前の実測で外気温25℃の夜間で走行して直結作動時2℃の記録があります。
計測時、アンプを接続した状態の場合は温度調節VRはMAXで風量は弱(レジスターの現状作動する一番弱い風量)がいいと思います。
お返事ありがとうございます。
先ほどのお返事は要約すると
「ちゃんと冷えているか吹き出し口の温度を計ってみな」
という事だと思います。
温度計が手元にないので未だ計っていませんが、
5月31日に取り付けた時は
少々暑く室内熱々の時に
10分程度で寒いぐらいに冷えて
自動でコンプレッサーが止まらないので
たまらず自分で切ったので
冷え具合は申し分ないくらいではあります。
でも今のところ100%手動で入切できるのが
大分よくなったのですが。
サーミスタ、温度調節VRなどが正常だと分かっただけでも助かりました。
正常時の抵抗値など知らなかったので助かりました。
先ほども走っている時にエアコン効かせたのですが、
やはり寒いほど冷えるけれどコンプレッサーは止まりません。
サーモアンプの可変抵抗はコンプレッサーの切りの温度を変えれるのでしょうか
関係あるなら調節してみるのですが。
もう少し走りながらいじってみようと思います。
回路内の可変抵抗は作動温度調整用に設けてあります。時計回りに回すと抵抗値が上がり、サーミスタ温度がより低温になった状態(サーミスタは温度が低いほど抵抗値が高い)を擬似的に作り出します。
同じくこのVRと直列につながっているエアコンの温度調節VRも働きは同じです。こちらはMINのとき(弱くかけたいとき)に抵抗値が最大です。
実験は温度調節ダイヤルはMIN(最大抵抗)で行ってください。
サーモアンプの可変抵抗の抵抗値を測れない場合(樹脂で固定後など)は、多回転型VRですから回転数を記録しておくといいです。
・車内温度29℃でスタート
・天気は晴れで2名乗車で走行
・温度調節ダイヤルはMIN
・風量調節ダイヤルは最弱
・エアコン吹出口のルーバーに温度プローブを目玉クリップで固定
・コンプレッサーの作動状況は、コンプレッサークラッチの作動音とインジケーターで確認
という条件で、作動温度を実測してみました。
○およそ3分で吹出口温度が約15℃でコンプレッサーが停止
○その後2分程度でコンプレッサーが再起動し、吹出口温度19℃
※そのまま温度調節ダイヤルをMAXに変更
○約6分でコンプレッサーが停止、その時の吹出口温度は約2℃
でした。
度々ありがとうございます。
可変抵抗は最初の時計回りに770Ω設定から20回転も回しました。
コンプレッサーは全く切れず、くじけて他の作業をしていました。
温度計を用意したので似た条件で計ってみます。
車内温度29度スタート
晴れ、2名乗車後半1名
温度調節ダイヤルはMIN
風量調節ダイヤルは最強(勘違いしてました。)
エアコン吹出口のルーバーに温度プローブを固定
3分でやはり吹き出し口15℃前後まで下がりましたがコンプレッサーは終始ON
(最後まで一回も切れませんでした。)
温度調節ダイヤルはMINのまま
吹き出し口温度は信号待ち5度、走行中は4度
15分運転。
車内温度は23度まで下がりましたが、コンプレッサーは一切切れず。
でした。
今一度回路を開けて配線間違い又はショートがないかチェックするか、
サーミスタが壊れているか、
エアコンリレーが中途半端に壊れていないかチェックするしかないですかね。
直結でコンプレッサーが動かなかったのは
サーモアンプ制作取付→コンプレッサーが風量調節を動かすと入ったり入らなかったり。
そのあとブロアファンレジスター制作取付→確実にコンプレッサーONになるようになった。
ので、直結で動かなかったのはブロアファンレジスターのためと思われます。
サーミスタって取り換えられるのでしょうか?
テスト時のおすすめ風量は最弱です。風が強いとそれだけ熱交換器の温度が下がるまで時間がかかります。
風量が最強で4℃まで吹出口温度が下がれば、冷却系統に問題はなさそうですね。
サーミスタの交換は可能ですが、室内から見て室内機本体右側奥の角についてます。測定のために自分も脱着を試みましたが、室外機もしくはヒーターユニットの脱着が必要だと判断し断念しました。
サーミスタの故障は短絡(抵抗ゼロ)か導通なし(抵抗無限)だと思いますよ。的はずれな抵抗値を示す故障ってあんまりないような。
参考までに抵抗表を『ローバー・ミニのエアコンサーモアンプ修理(というか製作)その1』の最後に追加しておきました。
>サーミスタの抵抗値 1.70kΩ(外気温26℃だが室温はぐっと高い)
とのことですので、表と照らし合わせても正常かと。
>エアコンリレーが中途半端に壊れていないか
純正のサーモアンプはミニのACリレーを直接トランジスタで制御することで、ONかOFF の信号にしています。なのでACリレーはトランジスタからの過渡的に変動する電流値に対し既定値でONにしたりOFFにする役割を担っています。
記事のアンプではトランジスタのあとにフォトモスリレーを介しているので、ACリレーのコイルには物理スイッチを使ったのと同じくONかOFFの電流しか来ません。なので、上記のような変換の働きはしていないので、直結したときに回路を開いてもACリレーがONになって張り付いたままなどという症状がなければ問題はないはずです。
「直結したときに回路を開いてもACリレーがONになって張り付いたままなどという症状」
とはACをOFFにしてもONになったままという意味でしょうか。
サーミスタは交換難度が高いようですね。しかもやはり壊れていないよう。
教えていただいてありがとうございます。
自分で検索してもサーモアンプかファンレジスタ、稀にACリレーの交換修理しか見当たりません。
何度か見直して封印したはずなのですが、制作したサーモアンプを開けてチェックしてみるのが
いいみたいですね。
ああ、グルーガンで埋めちゃったんだよなー。
サーミスタ抵抗と温度の表素晴らしいですね。
mini_cyariさんはマメな方なんですね。
ずぼらでテキトーな私とは違いますね。
この表があればサーミスタ交換しなくても故障診断できますね。
ミニのエアコン電装系に関しては mini_cyariさんのHPでほとんど事足りるのではないですか。
大変参考になる先人を発見しました。XN12Aローバーミニのサーモアンプの配線図を頂けませんでしょうか?
現在、室内のエバポとファンを純正のまま、室外のコンプレッサとコンデンサを中華製の電動に変更しようと考えています。
ファンダイヤル〜ファンの回路の読み解きは出来ましたが、温度抵抗値でコンプレッサクラッチをオンオフするサーモアンプの配線が自信ありません。
サーモアンプのカプラ6本のワイヤのうち、エバポレータ温度センサの灰・灰赤のワイヤはその色で接続。
ダイヤルスイッチの設定温度の黄黒・黄赤もその色で接続。
残り緑と緑白のワイヤ2本と、カプラに行ってない青白(アース?)がどこへ行くのか知りたいのです。
各ワイヤの色はデバイスの色でなく、ミニのハーネス上の色です。
各デバイスは既に取り外し、ハーネスを剥がして辿るのも辛いので、助けてもらえるとうれしいです。
ログインできず匿名になってしまいますが、アビゲイルモータース飯田と申します。
よろしくお願い致します。
この件、別口で相談していたメカニックから配線を教えて頂き解決しそうです。
お騒がせしました、ありがとうございます。
飯田さま
コメントありがとうございました。問題解決しそうだとのこと、記事に関する資料など見返していたところでした。安堵いたしました。
先人に感謝 昨年夏より 閲覧して居ましたが 旧MINI 1996年登録の 物です 国内で 取り付けた 付機(クーラー)不調 今年より 連絡しました ご教授して頂抱ければ幸いです。
コメントを投稿